税務情報
2022.05.10
固定資産税が3年間0円になる!?「先端設備等導入計画」
今回は、設備投資に伴う優遇税制である「固定資産税の特例」と「先端設備等導入計画」をご紹介いたします!
◆――◆ 先端設備等導入計画とは? ◆――◆
先端設備等導入計画とは、中小企業等が設備投資を通じて労働生産性の向上を図るための計画です。「先端設備等導入計画」の認定を受けた中小企業者は、自治体の判断により固定資産税の特例措置を受けることができます。
主な要件等は以下をご確認ください
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/seisansei/01_gaiyou/1-1_01_gaiyou.pdf
◆――◆ 固定資産税軽減の特例とは? ◆――◆
先端設備等導⼊計画の認定を受けた中⼩企業者のうち、以下の⼀定の要件を満たした場合、地⽅税法において固定資産税の課税標準を3年間、ゼロ〜1/2に軽減する特例を受けることができます。
例えば、3,000万円の設備投資をした場合、固定資産税(償却資産税)の通常の計算は、3,000万円×税率1.4%=42万円 ですが、この制度を活用すると3年間減免されるため、およそ100万円ほどの節税効果が見込めます。
◎対象者
資本⾦1億円以下の法⼈、従業員数1,000⼈以下の個⼈事業主等のうち、先端設備等導⼊計画の認定を受けた者(⼤企業の⼦会社等を除く)
◎⽣産性向上に資する指標が旧モデル⽐で年平均1%以上向上する設備
【減価償却資産の種類ごとの要件(最低取得価格 / 販売開始時期)】
1.機械装置(160万円以上/10年以内)
2.測定⼯具及び検査⼯具(30万円以上/5年以内)
3.器具備品(30万円以上/6年以内)
4.建物附属設備(60万円以上/14年以内)
5.構築物(120万円以上/14年以内)
6.事業⽤家屋(取得価額の合計額が300万円以上の先端設備等とともに導⼊されたもの)
◎その他要件
・⽣産、販売活動等の⽤に直接供されるものであること
・中古資産でないこと
◆――◆ 先端設備等導入計画の3つのポイント ◆――◆
★ポイント1
「スケジュールに注意」
固定資産税の特例を受けるためには必ず設備取得をする前に、先端設備等導入計画の認定を受ける必要があります。既に取得した設備を対象とする計画は認定されません。遡り申請などの特例はないのでご注意ください。
先端設備等の要件には「工業会の証明書」の取得が必須になります。申請・認定前までに取得することが必要です。ただ、特例として工業会の証明書は認定後から賦課期日(1月1日)までに追加提出することも可能です。
上記と合わせて、先端設備等導入計画の認定を受けるためには、労働生産性が年平均3%向上するかについての「認定支援機関の事前確認書」が必要になります。
「工業会の証明書」は設備メーカー等に、「事前確認書」は認定支援機関(会計事務所)に相談しましょう。
★ポイント2
「自治体によって違う」
市区町村によって、認定対象にならない業種や認定対象とならない設備もあります。
また固定資産税の軽減ができる割合や申請時の必要書類(添付書類)も市区町村で異なりますので、必ず申請する自治体へ確認しましょう。
なお、認定を受けられるのは、新規取得する設備が所在する市区町村になります。
★ポイント3
「対象設備が追加されました」
先端設備等導入計画は2018年から開始されていましたが、従来の機械装置、器具備品などの償却資産に加え、新たに事業用家屋と構築物(塀、看板、広告塔など)が対象に追加されました。
また、特例措置の期限も令和3年3月31日から令和5年3月31日へ2年間延長になっています。
◆――◆ 最後に ◆――◆
今回ご紹介した先端設備等導入計画は、設備取得の時期や認定を受けるまでのスケジュールなど注意点がいくつかございます。
設備投資の予定がある方や、これから設備投資を考えている方も事前に必ず税理士事務所に相談するようにしましょう!
税理士法人スマッシュ経営では、先端設備等導入計画の作成の支援を行っています。作成を検討されている方は、お気軽にお問合せ下さい。