経営情報 / 飲食業
2022.01.18
飲食店の経営をセルフチェック!
「飲食店を経営したい! でも、利益を出すにはどう考えたらいいの?」
「今経営しているこの店、上手く利益が出ているっていえるのかしら?」
そんな方には、まず売上に対するいくつかの経費割合でセルフチェックをおすすめします。
本コラムでご紹介するのは、FL比率、およびFLR比率です。
FL比率とFLR比率とは
Food(食材費)・Labor(人件費)・Rent(家賃)の3つです。
前の二つの合計金額の売上高比率をFL比率、三つともの合計金額の売上比率をFLR比率といいます。
細かい業態によって幅はありますが、一般的な目標値は、FL比率は55~60%、FLR比率は70%以下といわれています。
なお、此処でいう「人件費」には交通費や社会保険料、福利厚生費、研修費なども含まれます。
また、「家賃」には地代や、自己所有の場合は土地建物の固定資産税も含まれます。
どうして売上比率なのか
これはシンプルに、「売上金額(収入)で仕入や経費諸々(支出)を支払う」ことができる必要があるからです。
実際には、収入がすべて売上ではなく、また、経費ではない支出も存在しますが、ひとまず「健全な店舗経営とは、営業で得たお金で、営業で必要な支払いができる状況である」ということはいえます。
○ FL比率
上述のように、FL比率は55~60%が目標といわれています。
1,000円のメニュー1皿に対し、食材費+人件費(接客者・調理者)=550~600円と考えれば、決して高くはない、と判断することができます。
R(家賃)
他の経費と異なり、これは初期条件ともいわれます。
地代家賃は、毎月同じ金額(または割合)として契約し、その後借り手側から変更するのは簡単ではないからです。
これも業態によりますが、一般的には売上比率10%前後といわれています。
さてセルフチェック!
1.まずは、現状と目標利益、それぞれ数値を掲げてみましょう
【例】
<実状>
・客単価1,000円
・月の営業日数は25日(平均)
・ピークとなる時間は昼の3時間(11~14時)と夜の3時間(18~21時)
・地代家賃の合計が30万円
<目標値>
・FLR比率は70%
・その他の支払は売上比率20%
☆目標月間利益30万円
2.目標月間売上は30万円÷(100-70-20)%=300万円 となります
3.来客数の目標値も見えてきます
毎月…300万円÷1,000円=3,000人
毎日…3,000人÷25日=120人
毎時間…120人÷6時間=20人
4.そうすれば、現状分析と改善点が見えてきやすくなります
・客の滞在時間(回転率)を考えたとき、今の席数は十分か?
(1時間に20人、席について会計までできるか?)
・調理の人数・設備は間に合っているか?
(1時間に20人分の料理を用意できるか?)
・食材費は想定の範囲内か?
(材料値上げなどで圧迫されていないか?)
・人件費は見積もりの範囲内か?
(最低賃金の上昇などの影響はどうか?)
・売上がない時間にも人件費は発生しているが、ペイできているか?
(仕込み・開店準備・閉店後清掃やレジチェック・外部研修など)
具体的に数値にすることで、改善点は見つかりやすくなりますよ!
飲食店経営についてのご相談は、お気軽に税理士法人スマッシュ経営まで。